絶対に真似してはいけない貧困ビジネス

どうも、えらいてんちょう(@eraitencho)です。普段はバーの経営と経営コンサルタントをして生計を立てています。

それ以外に、宅建の資格を持っていて不動産投資を行っています。そんなわけで今回の記事のお話をいただいたところです。

また、大学生の頃には生活保護の随行ボランティアをしていたこともあります。今回はそんな中で詳しくなった不動産に関する生活保護ビジネス・貧困ビジネスについてのお話をしていきたいと思います。

生活保護ビジネスの仕組みって?

生活保護ビジネスと言ってもいろいろありますが、一番は不動産です。

簡単に言うと、生活保護の方に不動産を貸すビジネスです。生活保護の方はお金が無いから生活保護をもらっているわけであって、そんな人間に不動産を貸して儲かるわけないじゃないかと思われるでしょう。

実はあまり知られていないのですが、生活保護の方には、生活保護費の他に住居費というものが支払われます。金額は場所や世帯の人数によって異なりますが、例えば東京都で一人世帯の場合、53,700円という金額が上限として出ます。

都内の家賃相場を考えれば53,700円なんて大したことないと思われるかもしれませんが、どんな物件でも53,700円が取れるというのがポイントです。

都内でもいまだに家賃2万5千〜3万円くらいの「○○荘」みたいなオンボロアパートがあったりしますが、そんなところでも私と生活保護受給者の方が合意すれば53,700円で契約して、役所から53,700円のお金が出るわけです。

正直にいって、生活保護のシステムの欠陥としか言いようがないですね。今は若干変更されているところもありますが、相場の2倍以上の家賃で不動産を貸すことができたりもするので、それを専門にしている不動産屋も多く存在していたりします。

 

不動産業界では常識外の利回り35%〜40%

では、そんなビジネスによってどれくらいの利益が得られるのでしょうか。

例えば、八王子市や町田市ですと一部屋の小さいアパートがだいたい180〜200万円で買えます。普通だったら家賃2万〜2万5千円でしか貸せないような物件です。

それが上で説明した通り、生活保護受給者の方だと53,700円で貸せます。利回りという意味で考えると、100万円を貸して1年後にそれが110万円になって返ってきたら、10%増えているので利回りは10%です。

不動産ビジネスで一般的には10%の利回りがあると相当優良な物件です。ところがこの生活保護ビジネスメソッドを使うと、180万円の物件で年間60万円の家賃が取れます。利回りを計算してみるとなんと35%〜40%です。これは大家業としては美味しくて美味しくてしょうがない。

東京都の外れに安い一棟のアパートを借りて、そこに生活保護の人たちを囲う。そして高額の家賃収入を得ているという業者はけっこういました。また、この物件の年間の家賃は60万円です。

600万円で売りに出しても利回り10%の物件として買い手が付きます。180万円で買った物件が600万円で売れるので、即座に売却益420万円が手に入ります。短期で稼ぐにはそのよう方法も取れます。

 

さらに利益を上げる一軒家分割メソッド

これだけでも通常の不動産ビジネスから考えるとあり得ない利回りですが、さらに利益を上げる一軒家分割メソッドというものがあります。

さきほどはアパートを買う話をしましたが、それと違ってまず一軒家を買います。通常同じ家に複数人を住まわせることは役所から認められないんですが、シェアハウスでその一室を借りているとするとOKな場合がありました。

例えば5LDKの一軒家があるとして、「これはシェアハウスです」と言って家を分割します。そうすると5部屋になるわけですが、これをそれぞれ1部屋53,700円で貸してしまうんです。

東京都の端っこであれば一軒家を500万円で売っていることもあります。もちろんものすごい僻地で、普通であれば全く住めないようなところです。しかし、生活保護の方というのは、なかなか家を借りにくいという事情があるので、そんな僻地の物件であっても入られる方がいます。

そうすると、一軒家を500万円で買っても、5分割で考えると、一部屋あたり100万円で買ったことになるわけです。その一部屋あたり100万円で買った物件をそれぞれ月53,700円で貸すわけですから、年間の収入は一部屋あたり60万〜70万円になります。

普通の不動産屋が「利回り10%!最高!」と思っているところを、その一軒家の大家は利回り60%〜70%なんていうあり得ない数字を出すことができます。なんと2年で元が取れてしまって、不動産自体も手元に残って、どんどん収入が増えていくという状態になるわけです。

 

敷金礼金で稼ぐ方法

実は他にも一般にあまり知られていないことがあります。

例えば、生活保護の方には家賃以外にも敷金礼金が2ヶ月分ずつ支給されますし、仲介手数料も支給されます。

通常ですと敷金礼金は多くても1ヶ月分くらいだと思いますが、初期費用が倍額とれるということです。なので大家は真面目に家賃を収めてくれる生活保護の方を見つけて、一軒でも部屋を埋めたらそれだけでウハウハみたいなこともあったらしいです。

 

5年で2億円貯めた人も!?

ちなみに私の知人の元某宗教団体の幹部の方で、貧困ビジネスでかなりの大金を稼いだ方がいます。いわゆる競売物件(借金のカタに取られた一軒家)を買って改装します。

そして生活保護受給者の方に1部屋ずつ貸していって、満額の家賃を取るという方法です。その方はこの方法で、0から初めてだいたい5年くらいで2億円貯めたそうです。いろいろな問題がありつつも、うまいことやっている人はうまいことやっていると思います。私はあまりやりたくないですが。

 

法律の規制が入ってしまった

「そんな美味しい話があるんだったらみんなやるんじゃないか」と思われるかもしれません。まったくその通りです。

ただ、今はいろいろと法律上の規制が入って、狭い部屋に対して高すぎる家賃は出さないという方針になり、相場よりあまりに高いものは役所がはじくようになっているようです。

また、今までお話しした計算はあくまでもすべてきちんと家賃が払われた場合の話です。私自身、最初にお話ししたように大学生時代に生活保護の随行ボランティアをしていたので、なんとなく想像ができるところではあるのですが、生活保護の方の中には金銭管理に問題のある方も多いので、家賃が全く払われないというようなことも多かったらしいです。

やはりそんなにうまい話はないということで、上でご紹介した人は本当にごくごく一握りのラッキーな方ということで、実際にこういったビジネスで成功した業者は結構少なかったのではないかと思います。

 

さて、そんなわけで今回は不動産を使った生活保護ビジネスのお話をさせていただきました。今ではできなくなっているものも多いですし、ご説明したようになかなかそんな上手い話はないということで、難しいところではありますが、システムの欠陥を利用して稼ぐという金脈に対する嗅覚は見習いたいものです。みなさんも既存のシステムをうまく利用してやっていきましょう。

※追記
マンション売却でできるだけ多くの現金を手に入れる方法を紹介中。600万円も相場より高く売れることも。

この記事を書いた人
えらいてんちょう

イベントバーエデンの店長。ショボい起業コンサルタント。1990年生まれ。慶應経済卒。ブログは57万PV/月。Twitterは@eraitencho