神奈川県の45歳女性です。
実家を出てから親を亡くし、身内の誰も使用する予定のない物件だったため、単独で相続したマンションを売りました。
当該物件はターミナル駅から徒歩20分、間取りは3LDK64㎡、築40年のマンションです。
地下階ではありますが、南西向きの広いベランダには遮る建物がなく、観葉植物を育てるには最適なマンションでした。地階ではあるものの地面に接しているわけではなく、風通しが非常によいため湿気がこもらず、共有部分の清掃も行き届いていたため快適な物件です。
売却と賃貸で迷いましたが、私自身抱えるものが多く、相続の手続きや賃貸する際のリフォーム、賃借人や購入者を見つけるまでの管理コストがかかるため、中期的には売却する方がよいと判断して幾つかの仲介業者さんに査定をお願いしました。
ネット上のウェブ査定だけだといまいち不正確なところがあります。これまでの統計データや傾向から査定額を算出しているだけです。こまかい市況やリフォーム履歴を反映したものではないので、営業さんの実地査定をしなければなりません。
ここまでは当初売主が購入した価格を考えても査定価格にはあまり関係がなく、周辺の実勢価格を、業者さんの抱える顧客を想定してネットに初回掲載する公開価格を設定するわけです。
そこからこの物件に対してどのような営業活動を展開されるかのお話を伺います。この辺りからが営業さんの腕の良し悪しに関わってくることになります。
私の場合は、マンション管理会社さんのグループ企業である仲介業者さんにお願いすることで、仲介手数料の割引が受けられることもあり、これを選択しました。
仲介業者さんにより営業さんの感触は様々で、大手業者さんでしたら作成される書類などは複数チェックが入るでしょうから、さほど心配はありませんが、反面、営業力や小回りが利かないのが受ける印象だったでしょうか。
業界的には実勢価格より明らかに高い価格をネットに掲載するのは、顧客の選択肢から外れてしまい、以後の営業活動に不利だとのことでしたが、当該物件には直近のリフォーム履歴もあり、居住空間としてのオリジナリティも出せる物件だと考えて、営業さんの査定価格より50万円高めの設定にしました。
交渉の段階で、営業さんからも顧客からも50万円あるいは端数切捨て対応で値切られると、想定されたからです。
最終的には、売出し価格の約120万円引きの1700万円で成約しました。
売却に要した期間は他社との査定価格や営業方針などの比較、相場の下調べに2カ月、一社単独での売買契約締結から1年半というかなり長い時間を要しました。
不動産価格がリーマンショック以後でかなり高くなっていますが、市場規模が縮小すると考えられる今後、スピード成約される競争力のある物件は限られています。
特に相続などでお手持ちのマンションで放置しているものは、管理費もかかり築年数が嵩みます。コストのかかるリフォームまで考えて、悩む前に一度仲介業者さんに出してみてはいかがでしょう。
購入者が望まないリフォームは環境にもよろしくないですし。アクションはお早めにすることをおすすめします。