売り出し価格そのまま満額で売れることは、そうそうありません。
ただし闇雲になんとなく値下げしてはいけません。適切なタイミングと注意ポイントがあります。
値下げ検討するタイミング
基本的にはパートナーである不動産会社のアドバイスをもとに、値下げタイミングを決めてください。
ただし、ある程度は自分の中でも目安を持っておいても良いかと思います。
経過時間:3ヶ月間
売り出してから3ヶ月間経ってしまったら、値下げを本格的に検討してみてください。
十分に広告宣伝、営業が行き渡るのも1~2ヶ月はかかりますし、そこから実際に現地へ足を運んでもらう時間を考慮すると、やはり3ヶ月間は見ておきたいものです。
内覧の数:10人以上
3ヶ月経っていないにしても、内覧が10人(10組)以上も来ているのに購入されない、という段階でも値下げを検討するべきです。
内覧に来るということは、その物件に興味が出ている証拠です。にも関わらず買ってもらえないのは、「室内が想像と違った」もしくは「価格が高い」のどちらかです。
まずは室内を改善してみる、それでも購入が決まらなければ、値下げするしかありません。
値下げの注意ポイント3つ
10%下げる
値下げをする際は、価格の10%は少なくとも下げる必要があります。
売主からすると20~30万円程度の値下げに留めておきたいものですが、買主からすると数千万円のうちの20~30万円の値引きは、ほぼ値下げしていないのと同じに見えてしまいます。
買主の立場になるとわかりますが、数十万円の差で買うか買わないかを迷うことはまずありません。というのも、35年の住宅ローンを利用した場合、月々の返済額は数千円しか変わらないからです。
ずるずると売却活動が無駄に長期化しないためにも、少なくとも10%は下げましょう。
端数を出す
ピッタリの額ではなく、端数を出してください。
NG:2,800万円、4,500万円
OK:2,890万円、4,580万円
消費者心理として8や9の端数が付くと、実際よりも安く感じます。スーパーや家電屋さんなどでもこの手法は活用されているので、なんとなくイメージできるでしょう。
また端数を付けることで、さらに値引きを交渉されたとしても、この「端数分だけ値引く」という逃げ道を作っておくことができます。
10%値下げした後に、端数を付けて調整してください。
大台を下回らせる
2,990万円や3,980万円といった、大台(この場合、3,000万や4,000万円)に乗らない価格に最終調整してください。
今の時代まずはネットで物件検索する方がほとんどですが、不動産ポータルサイトの価格項目を見ると、500万円単位もしくは1,000万円単位で選択するようになっています。
(suumoより)
たとえば3,010万円と2,990万円は、20万円しか差がありません。上述しましたが、マンション売買においては数十万円は買主からすると大きな額ではありません。
しかしながら、買主が価格項目で「3,000万円未満」を条件に入れた場合、当然のことながら3,010万円の物件は出てきません。2,990万円は出てきます。
ネット検索において価格項目を入れない方はいません。ほぼ100%の方が価格も重要です。専有面積や間取りの項目はテキトーだとしても、「○○○○万円未満」という価格項目はほぼ全員がきっちり入れてきます。
マンションを早く&高く売るには、1人でも多くの方に知ってもらうことが必須ですので、最後にもう一度価格をチェックしてください。
リフォーム費用だけ値引く
明らかにリフォームが必要にも関わらず、あえてそのままで売り出す場合もあるかと思います。
クロス(壁紙)が剥がれている部分がある、床にキズがある、水回りのクリーニングが必要である・・・などです。
このようなマンションの場合は、買主からしても「リフォームしたい」という心理が働きますので、その際はそのリフォーム費用分だけを値引きしてあげるも有効です。
リフォーム業者に見積りをとってもらい、おおよその価格を算出します。50万円なら50万円、200万円なら200万円そのまま値引きします。
この値引きは、
- 買主からすると「リフォーム分が捻出できた」
- 売主からすると「リフォームせず、少しの値引きで売れた」
というWin-Winの状況を生み出します。
こちら側から積極的に値引きを提案する必要はないですが、買主が求めてきたら快く応じてあげてください。ほぼ売れたも同然です。
まとめ
マンション売却において、ほぼ100%買主は価格交渉をしてきますので、最終的にはいくらか値引きをすることになります。
値引きしたとしても満足のできる金額を手に入れるためには、適切に値引きするだけでなく、売り出し価格の設定がとても重要になってきます。
値下げすることを前提に、慎重に売り出し価格を決めてください。