ネットやチラシからの反響はある。内覧もある。
でも、売れない。
このような状況だとして過度に不安になる必要はありません。原因を見極め、ひとつずつクリアしていけば売れます。
内覧があるのに売れない理由7つ
内覧してみたものの「買わない」という決断をしたお客さんにヒアリングしてみると、理由は以下7つのいずれかであることが多いです。
内覧はそこそこあるのに、売れない(購入申込書をもらえない)場合の対策の参考にしてください。
1. 価格が高い
もっとも可能性が高いのは価格面です。買う/買わない、の判断基準として価格が障壁になることは極自然です。
実際に内覧してみて物件は気に入った、でも「価格がちょっと…」となっている内覧者はとても多いものです。
とは言え、安易に値下げすることも良くないです。そのままの価格で購入してくれる買主が現れるかもしれないからです。それは次の内覧者かもしれません。
目安として内覧が5人入るくらいまでは、そのままの価格でいきましょう。その5人の誰か1人からでも「少しだけ値引きできますか?」と聞かれるようなことがあれば、不動産会社に相談した上で、応じても良いでしょう。
内覧者が10人も来てるのに、誰からも購入申し込みがない場合は、値下げを本格的に検討してください。
どのように値下げするかなどについては、以下記事でまとめています。
2. 狭い
実際に見てみたら思っていたよりも狭かった、という理由も少なくありません。
特に「リビングが狭い」と感じる内覧者が多いようです、これは対策ができます。
床面積そのものを広くすることはできませんが、リビング部分のクロス(壁紙)を白基調の新品に貼替るだけで、不思議と広く見えるようになります。明るさは狭さを補ってくれます。
リビングが10畳だとしたら、グレードにもよりますが、おおよそ5~10万円前後で貼替られます。値下げを迫られて100万円単位で値引くよりは、よっぽど安く済みます。
またクロス交換をしなくとも、窓を全開にする、照明をすべて点けることでも、部屋が少しだけ広く感じられます。
3. 汚い・古い
建物自体の築年数はどうすることもできませんが、部屋内をキレイにすることは可能です。
内覧者、特に女性の内覧者の方は、水回りを気にされます。キッチン、洗面所、お風呂、トイレなどです。
お風呂や食洗機のリフォームは大きなお金がかかりますが、数万円でできるウォシュレット交換、蛇口交換、プロによるクリーニングをするだけでも、見違えるほどの印象が変わります。
クロス貼替と同じく、小さな投資で大きなリターンが得られますので、検討してみても良いでしょう。
≫マンションリフォームするかの判断基準と相場/流れと注意ポイント
4. うるさい
ネット広告やチラシではわからなかったものの、いざ現地内覧してみたら「騒音が気になる」というケースもあります。
マンションの近くに大きな道路がある、線路がある、幼稚園や学校がある、解体工場、鉄塔(雨の日はバチバチ鳴る)などの場合です。
対策として1番いいのは、内覧者の生活スタイルをヒアリングし問題にならないことを説明する方法です。
たとえば夫婦共働きで帰りも夜遅ければ、「音が気になるのは平日昼間です。夜は学校も工場も終わってるので、時々電車が通るくらいです。」などと説明することもできます。
それでも腑に落ちていない、または万全を期すのであれば、二重窓にしておくという選択肢があります。クロスや水回り同様、工事費込みでも5万円程度で設置可能です。
5. 駅から遠い
実際に歩いてみたら「思ったよりも遠かった」というケースです。
物理的に距離を縮めることはできないので、これも内覧者の生活スタイルにあわせて、こちらから前向きな説明をしてあげます。
「駅から離れているので静かな住宅街です」「これまで使ってたもので良ければ電動チャリ差し上げますよ」「小学校やスーパーに近いです」などです。
内覧前の時点で、駅徒歩何分であるか、はわかっているはずですので、このように内覧時になってネックになるのは稀です。
6. あなたの態度
意外と見落としがちですが、内覧時のあなたの態度が原因で、買わないと判断される方もいます。
仲介会社を挟むとは言え、心情的には「買主と売主」による人と人との取引です。物件そのもののスペックも大切ですが、持ち主であるあなたの人柄も見られていることを忘れないでください。
内覧時のあなたを見て「これまで大切に部屋が使われてきたか」なども判断します。
せっかく内覧者が来ているのに、対応はすべて不動産会社に任せっきり。テレビやスマホばっか見ていたり、バタバタと忙しく家事をし続けるようなことは避けてください。
内覧者を丁寧に出迎え、落ち着いた雰囲気で心地よく見てもらえるように、常に気を配っているくらいで調度いいです。
内覧時のコツや注意点は、以下記事で詳しく解説しています。
≫【内覧のコツ】居住中マンションでの準備・掃除ポイント/内見当日の注意点
7. 「つぶし物件」にされている
つぶし物件とは、売りたい物件を確実に売るために使う「引き立て約、踏み台」のような物件のことです。
イメージ
つぶし物件:「イマイチ。買うのは辞めておこう」
↓
本命物件:「さっきと比べるといい!買おう!」
本命の物件を見せる前に、つぶし物件を見ることで、より本命物件が魅力的に見えます。これは不動産会社が使う手法です。
内覧者が多いのに、なかなか進展がないような場合、もしかしたらあなたのマンションが「つぶし物件」にされているかもしれません。これではいつまで経っても売れません。
つぶし物件疑惑があれば、仲介をお願いしている不動産会社にも相談してください。
特効薬は価格の見直し、そして上記で挙げたような室内の改善です。
対策できない箇所
一方で、どうしても対策ができない箇所もあります。
- ベランダの広さ
- 階数
- 日当たり
などです。
ベランダはマンション共有部であり、あなたが自由になにか変更を加えることはできません。管理規則で禁止されています。
また部屋の階数や日当たりなども、あなたの力ではどうすることもできません。
このような対策できない箇所については、「値下げ」もしくは「改善できないデメリットをデメリットを感じない買主を待つ」のいずれかしかありません。
まとめ
内覧があるのに売れないのには、必ず原因があります。 “なんとなく” 売れないのではなく、明確な理由があるはずです。
なにがネックになっているかを洗い出し、面倒でもひとつずつクリアにしていく必要があります。
内覧が多いに越したことはないですが、多くの内覧=ゴール、ではありません。
ゴールはマンション売却を完了し、あなたの手元に数千万円のお金が入ってくることです。