より早く、そしてより高く売るには、オープンハウスの活用も有効です。
1人でも多くの買主にアプローチするために、検討してみてください。
オープンハウスの概要と流れ
オープンハウスとは、売り出し中物件を開放し、予約なしで自由に見学してもらうという方法です。マンションの場合は、オープンルームとも呼ばれます。
近隣エリアの方へ宣伝する際に特に効果があります。
「いい物件なら欲しいけど、不動産会社へ問い合わせするほどではない」
という潜在顧客だとしても、
「近所でオープンハウスがあるなら行ってみようか」と興味を持ってもらえます。
近所にいい物件があるなら検討したい、と考えている方は意外といるもんです。
オープンハウスのデメリット
先にデメリットをお話します。
冷やかしのお客さんも来る
自由に見学できるのがオープンハウスなので、こちら側では誰が来るのかをコントロールできません。
中には完全に買う気のない、単なる冷やかしとも思えるようなお客さんが来ることもあります。
興味本位で近所のおばさんが見に来た、同マンションの別の方が売り出し価格を決めるためにスパイに来た、なんてこともあるかもしれません。
気軽に見てもらえる分、多少のこうしたお客さんが来ることは仕方ないと割り切りましょう。
内装が汚れる・傷付く
不特定多数の方がやって来るオープンハウスですので、内装が汚れたり、キズ付いたりしてしまうこともあります。
子連れでやってくるファミリー層もいるので、これも多少は仕方ないことです。
- スリッパを用意する
- カーペットを敷く
- 小学生未満のお子様はご遠慮ください
などの対策をすることで、ある程度は防げます。
近所に知られる
その名の通り、 “オープン” にして売却物件を公開するので、当然近所の方にも知れ渡ります。
そもそもオープンハウス開催にあたっては、事前にご近所さんへ挨拶に行くことがマナーなので(後述します)、近所にバレずにオープンハウスを開催するのは不可能です。
もしご近所さんにも知られたくないなら、絶対にオープンハウスはやるべきではありません。
オープンハウスのメリット
集客力がある
普通の内覧よりも効率よく、数多くのお客さんに見てもらうことができます。
開催数日前くらいに「オープンハウスを○月○日にやります!」という趣旨のポスティングを近所にしますので、多くの見込み顧客へもあらかじめアプローチしておくことができます。
事前予約なし、当日飛び入り参加OKである点も、集客力につながっています。
成約率が上がる
購入してもらえる確率、すなわち成約率があがります。
なぜならオープンハウス開催期間中は、現地で購入希望者同士が鉢合わせすることも少なくないからです。
実際にお互いの顔を見ることによってライバル心が芽生え、また焦りの感情も出てきます。「早く買わないと売れちゃうかも」という心理状態です。
中古マンションは早い者勝ちですから、結果的に早く売れ、成約率があがるということです。
その日のうちに即決するようなケースも珍しくありません。
満額で売れやすい
オープンハウスでは複数人から購入申し込みをもらえることもあるため、不要な値下げをしなくても良くなります。
つまり、こちらの希望売却価格、満額で売れるというわけです。
普通の内覧であれば間違いなくほぼ100%値下げ要求されますが、複数人から購入申し込みがあるということは、こちらから売りたい選べるという嬉しい状況です。
当然中には値下げを要求してくる方もいると思いますが、満額で購入申し込みを出してくれた方を選び、その方に売ればいいのです
現状の問題点がわかる
来場者にはアンケートをお願いするのですが(後述します)、このアンケート結果によって現状の問題点がわかります。
つまり「買わない理由」をあぶり出すことができます。
自分たちでは気付けなかった問題点をクリアにし、「買わない理由」をひとつずつ潰していきましょう。
オープンハウスのコツ・注意点
オープンハウス開催日
普通は土日の日中に行います。11:00~17:00までなどです。
どの土日でもいいわけではなく、
- 天気予報
- イベントスケジュール
もきっちりチェックした上で決定してください。
説明するまでもないですが、雨などの天気が悪い日には見学者が減ります。また街のお祭り、小学校の運動会がある日なども避けてください。
チラシ内容の確認
オープンハウス開催前には、近所にチラシをポスティングするのが一般的です。
チラシ作成は不動産会社が担当してくれるので、まず間違いはないと思いますが、万が一間違っていたら大変です。
念のため、以下ポイントをチェックしておきましょう。
- 開催日時
- マンション現地住所・部屋番号
- 物件概要(間取り、価格など)
- 物件の魅力
物件の魅力については、手作りレポート・チラシの一部イラストを入れると非常にインパクトがあります。
ポストの中には様々な会社からのチラシが入っています。その中でもオッ!と目を引くような、ちょっとした工夫が必要です。
管理組合や近所への事前挨拶
オープンハウスとはいえ、不特定多数の方がマンションに出入りしているのは、他の居住者の方からしたら気持ちが良いものではありまえん。
トラブルにならないようにするためにも、開催日の数日前くらいまでには、管理組合やご近所さんに事前告知しておきましょう。
掃除・オシャレにする
本命の買主の方も現れるかもしれません。
掃除をしたり、部屋を明るく見せたり、スリッパを用意したりと、あくまで「お客さんを迎え入れる」おもてなしの気持ちは忘れないでください。
特にその物件の “顔” でもある玄関は、念入りにキレイにしておきましょう。
基本的には内覧時と同じような箇所がチェックポイントになります。
≫【内覧のコツ】居住中マンションでの準備・掃除ポイント/内見当日の注意点
写真撮影はOKにする
見知らぬ誰かに部屋を撮られるのは不安かもしれませんが、いずれは売却することになるマンションです。
思い切って、写真はOKにしておきましょう。具体的に検討したい方にとっては、部屋内の気になる箇所を写真で残しておきたいものです。
見学者の方を迷わせないためにも、玄関や壁に「写真撮影はご自由にどうそ」などの貼り紙があると親切です。
手作りチラシを置いておく
部屋内の玄関付近などに、手作りチラシを置いておくと良いです。
見学者にとっては目の前にある物件を一応は見ていると思いますが、実際に住んでみたからこその本当の魅力、近所の良さなどはわかりません。
それらの魅力を1枚にまとめ、手作りのチラシを作っておくと何かと武器になってくれます。
お土産として持ち帰ってもらうために、数十枚はカラーコピーし、「ご自由にどうぞ」などの貼り紙とともに置いておきましょう。
手作りチラシの作り方・イメージは、以下記事で解説しています。
≫手作りレポート・チラシで魅力アピールし売却価格をアップする方法
アンケートを取る
見学者に対して、帰り際に簡単なアンケートをお願いしましょう。上述しましたが、物件の問題解決に役立ちます。
アンケートを取る目的は「買わない理由」を教えてもらうことです。
あまり設問数が多いと回答してくれないので、
- 汚れやキズが気になる箇所はありましたか?(Yesならどこですか?)
- いくらくらいなら購入ご検討して頂けそうですか?
- その他ご不明点あればお気軽にお申し付けください。
などの2~3程度に絞りましょう。
帰り際に、A4ペラ1枚のアンケート用紙を渡し、その場で記入してもらいます。記入後は、別途用意した箱などに入れてもらいましょう。
大事なポイントは「箱に入れてもらう」ということです。直接手渡しで回収しようとすると、気を遣われてしまい、本音の声が聞けません。
実際に見に来たのに「買わない理由」がわかれば、今後の対策に役立ちます。
オープンハウスを開催する方法
仲介をお願いしている不動産会社に頼む
一番手っ取り早いのは、すでに仲介をお願いしている不動産会社に頼んでみることです。
ある程度の関係性もありますし、あなたのマンションのことを把握しているので、もっとも効率よく開催できます。
ただし、不動産会社によってはオープンハウスに消極的な場合があります。
その理由は、コストがかかるからです。
オープンハウス開催期間中は、不動産会社の担当者少なくとも1人が拘束されます。担当者の人件費はもちろん、告知のためのポスティング費用なども加味すると、土日開催の場合10~20万円前後のコストがかかります。
売却物件が5,000万円以上と高額であれば、その分仲介手数料も大きくなるので、不動産会社も応じてくれるかもしれません。
でもそうではなく、3,000万~4,000万円前後の物件の場合、仲介手数料は最大でも150万円程度です。
この “唯一” の儲けから、コストのかかるオープンハウスに価値を感じない不動産会社の場合、丁重に断られてしまうかもしれません。
オープンハウスを開催してくれる不動産会社を探す
もし仲介をお願いしている不動産会社ではだめなら、オープンハウスを開催してくれる不動産会社を新たに探すという選択肢もあります。
専任媒介契約の場合は複数社と同時契約はできませんが、一般媒介契約の場合は、同時に複数社と契約することが認められています。
専任媒介契約だとしても普通は契約期間が3ヶ月間なので、3ヶ月経過後に、別の新たな不動産会社をパートナーにすることはできます。
不動産会社の変更については、以下記事をご参考ください。
≫マンション売却における不動産仲介会社の変更・解約方法と注意ポイント
まとめ
マンションの内覧は経験ある方がほとんどだと思いますが、オープンハウスについてはイメージ沸かないという方も少なくないと思います。
- 集客力がある
- 成約率があがる
- 満額で売れる
などの明確なメリットがあります。
まずは現在お願いしている不動産会社に、「現段階でオープンハウスが必要かどうか」相談をしてみてください。
冷やかしのお客さんなども混ざりますが、オープンハウスを開催することで得られる恩恵は大きいです。