マンション売却のスタートは「査定を受ける」ことですが、果たしてどのようにして不動産会社は査定価格を出すのでしょうか。
査定価格をアップさせるために、あらかじめ頭の片隅に入れておきましょう。
査定価格を出す3つの方法
居住用マンションに限らず、不動産は以下3つ方法いずれかで査定されます。
- 取引事例比較法
- 原価法(積算法)
- 収益還元法
取引事例比較法
近隣エリアにおける類似物件の取引事例から、価格を出す方法です。
マンションや戸建て売却の時に、もっともよく使われる方法でもあります。
定番でもあるので、多くの一括査定サイトなどでもこの方法が使われています。
原価法(積算法)
建物の建設と耐用年数などで、現在の価格を出す方法です。
同じような物件を買うにはいくら掛かるのか計算し、そこから建物の老朽化した分を評価額から引きます。
収益還元法
投資用物件を査定する際に使われます。
不動産から発生する収益と利回りにより価格を出す方法で、一棟アパートやシェアハウスなどが主な対象です。
※上記算出方法とは別に「簡易査定」「訪問査定」があります。詳しくはこちらのページ(簡易査定と訪問査定がある)をご覧ください。
査定・評価ポイント
マンションの場合、以下のようなポイントが査定額に影響を与えます。
広さ・間取り
40㎡なのか70㎡あるのか、1LDKなのか3LDKなのか。
広さや間取りを気にしない買主はいません。100%全員が気にするポイントです。
階数
一般的には上層階であるほど価値が高まりますが、そうとも限りません。
エレベーターが面倒くさい、庭付きがいいなどの理由で低層階が好まれることもあります。
方角(日当たり)
南向きが人気です。朝の光を浴びたい方にとっては、東向きも好まれます。
ファミリー世帯や女性は日当たりを気にしますが、独身男性の中には気にしない方も少なくありません。
眺望
遮るものが何もない、海が見える、富士山が見える、夜景が見える・・・などはポイントアップになります。
逆に、墓地やラブホテルなどが見えてしまうような眺望は嫌がられるので、査定価格を押し下げる要因になります。
設備
食洗機、IHコンロ、ディスポーザー、床暖房、浴室乾燥機、ウォークインクローゼット、宅配ボックスなどは評価されます。
内装の綺麗さ
クロス(壁紙)や畳、フローリングやお風呂、キッチンやトイレが綺麗かどうか。
経年劣化であればある程度は仕方ありませんが、明らかなキズやヨゴレはマイナスポイントになります。
駅からの距離
言うまでもなく、駅に近いほど査定価格は上がります。特に徒歩5分以下であれば、駅チカであることを全力でアピールしても良いほどの近さです。
10~15分でも十分に徒歩圏内ですので、駅チカとして評価できるはずです。
築年数
5年、10年、20年、30年で大きく変わります。
あまりに古いマンションは耐震性の面でも敬遠され売れにくくなるため、評価を下げる要素になってしまいます。
競合物件の有無
ライバルとなるような似た物件が、同時期に売り出されていなかは、査定価格を左右します。
競合物件があると価格勝負になりかねないので、安く売り出さなければならない可能性もあります。
近隣エリア、特に大規模マンションの場合は同マンション内に同様の部屋が売り出されていないかが、査定にはとても重要になってきます。
担当者の主観に注意
簡易査定にしろ訪問査定にしろ、査定価格を出すのは “人” です。
マニュアル項目に沿って算出するような会社もありますが、それでもやはり査定をする担当者の主観が入ってしまうことは否めません。
「大体このくらいだろう」「以前似たようなマンション売った時はこのくらいだった」などと、過去の思い出やフィーリングから査定価格に反映してしまうこともあります。
担当者の主観で査定価格が高値になったところで、なんの意味もありません。その担当者がマンションを買うわけではないからです。
担当者の主観が、 “現在の市況” とズレている可能性もあるわけです。
一括査定で “客観的” 価格を出すのがベスト
主観ではなく、 “客観的” な査定価格を出してもらうためには一括査定を利用します。
1社だけではなく3~4社と複数業者によって査定してもらうことで、平均的な相場がわかり、また現実的な売れそうな価格も把握できます。
一括査定だとしても各業者の査定内容に主観が含まれている可能性はありますが、それでも相場観を養うことにおいてはこれほど確実な方法はありません。
不動産会社の良し悪しも見極めることができるので、利用価値は大きいです。
≫マンション売却査定・一括見積もりサイト活用と注意点【全37サイト】
まとめ
マニュアル項目が異なったり担当者の主観が入ったりと、査定価格の出し方は不動産会社それぞれです。
特に仲のいい不動産会社がいるならその1社だけに査定依頼してもいいですが、そうでないなら、複数社を見てみましょう。
価格だけではなく、接客・スタンスなどの違いも浮き彫りになって見えてくるはずです。