喫煙者の中には、自宅の室内でタバコを楽しんでいる方も少ないでしょう。
しかし、家やマンションを少しでも高値で売りたいのなら、今すぐにでも室内喫煙はやめた方がいいかもしれません。
タバコによる瑕疵
瑕疵(かし)とは「欠陥」のことで、不動産業界ではよく使われる言葉です。
室内でタバコを吸っていると、以下のような瑕疵が生じてきます。
- クロス(壁紙)や天井、床の黄ばみ
- ドアやエアコンのヤニ汚れ
- タバコの臭いが染み付く
喫煙者にとっては自宅ということもあり、タバコによるこれらの物件被害に気付きにくいものです。
しかしながら、物件売却にあたってはこのような瑕疵(欠陥)は確実にマイナス評価になり、そのまま売却価格に反映されてしまいます。
高値で売却するための対策
マイナス評価を受けることなく、高値で売却するためには事前に対策するしかありません。
主な対策のそれぞれの相場です。
内容 | 相場 |
クロスの張替え(6畳の場合) | 4~6万円 |
ハウスクリーニング(6畳の場合) | 3~5万円 |
リフォーム(6畳の場合) | 30~40万円 |
エアコンクリーニング | 1~2万円 |
クロス(壁紙)の張替え
最重要事項がこのクロスの張替えです。
クロスはタバコの臭いもヤニ汚れも吸着しやすく、黄ばみなどによる変色を受けやすい部分です。
クロスを張替えるだけで、見違えるように生まれ変わらせることもできますので、喫煙していた部屋は張替えを強くおすすめします。
壁だけでなく、天井部分も張替えることをお忘れなく。
ハウスクリーニング
クロスの張替えだけですと、まだ臭いやヤニ汚れが残ってしまうこともあります。
ドアや柱、キッチンの戸棚など主に木製部分はタバコの被害を受けやすく、非喫煙者からすると気になる箇所です。
プロの専門業者が特殊潜在などを使って、徹底的に汚れや悪臭を除去してくれます。
リフォーム
ヘビースモーカーの方が長年屋内で喫煙していた場合、クロス張替えやハウスクリーニングだけでは修繕できない可能性もあります。
その際は思い切って、リフォームしてしまうという選択肢もあります。
リフォームはクリーニングと違い、表面上を清掃するのではなく、内装(床やドア、戸棚など)をすべて新品に交換します。
ほぼ新築状態に戻りますので、タバコによる被害を完全になくしてくれるだけでなく、物件全体の価値を高めてくれます。
それなりの費用がかかりますが、リフォームすることで購入検討者が増加し、結果的に当初よりも数百万円も高い値で売却することも期待できます。
リフォームは投資として考えることで、賢く売却成功させてください。
エアコンクリーニング
タバコを吸っている部屋にあるエアコンは、内部に臭いやヤニ汚れがこびりついてる可能性が高いです。
使用していない際は気付かないかもしれませんが、電源オンにした際にタバコの臭いが混ざった空気が排出されますので、後々のトラブルにも繋がりやすいです。
ハウスクリーニング同様に、専門業者に依頼してフィルターや奥の回転ファンなどまで洗浄してもらいましょう。
補足:ベランダで喫煙
今すぐに室内喫煙を止め「ベランダで喫煙する」ことを心掛けることも、効果的な対策のひとつです。
売却直前のタイミングでは難しいですが、数ヶ月後~数年後に売却予定をしている物件の場合は、今からでも室内でのタバコをやめるだけで全然違います。
完全に臭いや黄ばみを消失させることはできませんが、このまま室内で吸い続けていたらリフォームが必要だったものの、クロス張替えのみで済んだ。
などという効果は大きく期待できます。
唯一のいっさいお金もかからない、完全無料でできる対策です。
告知義務するのが望ましい
不動産売却において、物件に瑕疵(欠陥)がある場合は、契約前に買主(購入検討者)にその旨を告知する義務があります。
事故物件を売却する際などには、必ず告知しなければなりません。
しかしながらタバコによって内装が被害を受けている場合は、特に法律上は告知義務がありません。
ただし、売主のあなたから見ても気になるような臭いや汚れが確認できる場合は、告知することが望ましいとされています。
クリーニングやリフォームによって修繕されているのであれば告知する必要はありませんが、そうでない場合は、包み隠さず丁寧に告知してください。
まとめ
日本国内においては喫煙者が減少傾向にあり、スターバックスをはじめとした飲食店でも完全禁煙のスタイルが広がりつつあります。
不動産業界も例外ではなく、室内で喫煙していた物件については厳しく見られるようになってきています。
所有物件を少しでも高く売却したいのであれば、一時的な “投資” だと思って対策しておくことが重要です。