【税金は?】投資用ワンルームマンションを高く売却する3つのコツと注意点

価格が手ごろなワンルームマンションは、サラリーマンに人気の投資商品です。

投資用ワンルームマンションは、購入需要も高く、比較的、売却しやすい不動産です。

しかしながら、そんなワンルームマンションでも高く売却するにはコツがあります。また、高く売却できるからこその注意点も。

そこでこの記事では、こんな疑問にお答えします!

・ワンルームマンションを高く売却するにはどうしたら良いの?

・ワンルームマンションを売却する上での注意点って何?

・マイホームとの売却とは、どんな違いがあるの?

上記のような疑問をお持ちの人に向けて、賃貸不動産経営管理士である筆者が、これまでの経験や知識を元に投資用ワンルームマンションの売却について解説します。

ワンルームマンションを高く売却するコツはもちろん、売却で注意すべき点やマイホーム売却との違いについても包み隠さず解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

 

1.高く売却する3つのコツ

最初にワンルームマンションを高く売却する3つのコツについて紹介します。

1-1.入居者を埋めてから売る

ワンルームマンションを高く売るには、入居者が入っている状態で売ることが絶対的な条件です。

空室の場合は、投資家が保守的に価格を見込むため、どうしても価格が安くなります。もし、現状が空室であれば、埋めてから売却するようにして下さい。

また、なかなか埋まらないような状態であれば、フリーレントを使って入居者を入れることをおすすめします。フリーレントとは、契約当初の家賃を数ヶ月無料とするサービスです。

フリーレントでは、家賃を下げずに、募集することがポイントです。購入者が購入した後に、相応の家賃を見込むことができれば、価格を高くすることが可能です。

1-2.管理費・修繕積立金は完納した状態で売る

もし、管理費と修繕積立金に滞納がある場合には、完納した状態で売却するようにして下さい。管理費と修繕積立金が滞納されていると、価格が安くなります。

普通の価格で売る最低限の条件ですので、滞納がある場合は必ず解消してから売却するようにしましょう。

1-3.低金利のうちに売る

投資用ワンルームマンションの価格は、金利とも連動します。

金利が低いと、投資家の期待する利回りが低くなるため、ワンルームマンションの価格が高くなります。

そのため、投資用ワンルームマンションは、低金利の今のうちに売却することがおすすめです。2018年10月現在では、まだ国の低金利政策が続いているため、まさに今は売りどきと言えます。

投資用ワンルームマンションの価格は、収益価格を目安に取引が行われます。

収益価格とは、以下の式で計算される価格です。

収益価格 = 純収益 ÷ 利回り

分子の純収益とは、賃料収入から固定資産税や修繕費等を差し引いた収益です。

分母の利回りは純収益に対して投資家が期待する利回りになります。分母の利回りが小さくなれば、収益価格は上がります。

例えば、銀行の金利が2%程度であれば、不動産の利回りが7%の物件なら投資をしてみようかと思う投資家もいます。

一方で、銀行の金利が0.01%程度であれば、不動産の利回りが4%程度でも、銀行に預けるよりはマシなため、投資をしてみようかと思う投資家も現れます。

つまり、不動産に期待する投資家の利回りは、金利が上がれば上がり、金利が下がれば下がる傾向にあります。

低金利の時代では、不動産投資に対する期待利回りが低くなり、結果的に投資用ワンルームマンションの価格が上がっています。

逆に、金利が上がれば投資用ワンルームマンションの価格は下がることが予想されます。

投資用ワンルームマンションを売却するのであれば、金利が安い今のうちに売却することをおすすめします。

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2.【注意】保有期間「5年以下」は税金高い

ワンルームマンションが高く売却できる場合、保有期間に注意をしないと税金が高くなります。

税金を考慮すると、保有期間は5年を超えた段階で売る必要があります。

不動産は売却して譲渡所得が発生すると、所得税および住民税が発生します。

譲渡所得とは、以下の計算式で表される所得になります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 ― 譲渡費用

譲渡価額は売却額のことです。取得費は土地については購入額、建物については減価償却後の価格になります。

譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。

不動産を売却したときは、譲渡所得はプラスのときは税金が発生し、マイナスのときは税金が発生しません。

譲渡所得がプラスの場合、所得税および住民税は譲渡所得に税率を乗じて求められます。

所得税および住民税 = 譲渡所得 × 税率

ここで、税率に関しては、所有期間で異なるため注意が必要です。

所有期間は5年以下であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得とされます。

それぞれの税率は以下の通りです。

所得税 住民税 合計税率
短期譲渡所得(5年以下) 30% 9% 39%
長期譲渡所得(5年超え) 15% 5% 20%

ワンルームマンションの保有期間が5年以下の場合、税金が高くなるため注意が必要です。

4~5年目で売却するのであれば、もう少し待って、6年目以降に売却するようにしましょう。

 

3.マイホーム売却との違い

ワンルームマンションは、マイホームと違い、税金が発生しやすいという特徴があります。

そこでこの章では、マイホーム売却との違いについて解説します。

3-1.「3,000万円特別控除」は使えない

マイホームのマンションでは、売却時に3,000万円特別控除という特例を使えるため、ほとんどのケースで税金は発生しません。

3,000万円特別控除を使うと、譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 ― 譲渡費用 - 3,000万円

譲渡価額が取得費の3,000万円以上となるケースはほとんどなく、譲渡所得がゼロとなり、税金は発生しないのです。

しかしながら、投資用ワンルームマンションの場合、3,000万円特別控除は使えません。

3,000万円特別控除を使えるマンションは、居住用財産と呼ばれ、自分が住んでいた自宅(マイホーム)が適用対象となります。

投資用ワンルームマンションは、他人が居住しているため、マイホームではありません。3,000万円特別控除は使えないことを知っておきましょう。

 

3-2.取得費を求めるための償却率が違う

ワンルームマンションは償却率が高く税金が発生しやすいです。

譲渡所得を求める際の取得費は、土地については購入額、建物については減価償却後の価格になります。

減価償却とは、建物の取得原価を法定耐用年数の期間に応じて規則的に減額していく会計上の手続きです。

建物の減価償却費は以下の計算式で求められます。

減価償却費 = 建物購入価格 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

ここで、同じマンションでも、マイホームと投資用ワンルームのような賃貸マンションでは、償却率が以下のように異なります。

マイホーム 賃貸マンション
鉄筋コンクリート造 0.015 0.022

償却率が大きいと、求められる減価償却費が大きくなります。

すると、同じ年数でも、減価償却後の建物価格はマイホームよりも賃貸マンションの方が小さくなります。

建物価格が小さくなるということは、取得費も小さくなることを意味します。取得費が小さくなると、課税の対象となる譲渡所得が大きく計算されることになります。

つまり、投資用ワンルームマンションはマイホームの売却よりも譲渡所得が大きくなり、税金が発生しやすいという性質を持っています。

逆に言うと、マイホームの売却ではなるべく税金が発生しないように、償却率を小さくする優遇措置が取られています。

投資用ワンルームマンションには、税金を発生しにくくする優遇措置がありません。ワンルームマンションは、マイホームよりも税金が発生しやすいということを理解しておきましょう。

 

まとめ

ワンルームマンションの売却についておさらいします。

1.ワンルームマンションを高く売るには、「入居者を埋めてから売る」、「管理費・修繕積立金は完納した状態で売る」、「低金利のうちに売る」の3つがコツになります。

2.税金に関しては、保有期間が5年超であれば税率が低くなります。

3.ワンルームマンションは、3,000万円特別控除は使えません。また償却率がマイホームよりも高く税金が発生しやすいです。

投資用ワンルームマンションは、高く売るために空室を埋めてから売却するようにして下さい。

管理費や修繕積立金の未納がある場合は完納し、低金利の今のうちに売却することが得策です。

税金は、所有期間が5年超となると安くなります。また、ワンルームマンションの売却は、マイホームの売却と比べると税金が発生しやすいです。

ワンルームマンションの売却の特徴を理解した上で、売却の準備を進めましょう。